今日の一冊 「子供はあなたの所有物じゃない」

今回は台湾の本です。

台湾には観光で何回か行ったことがあります。街を歩いて景色を見て、いろいろなものを食べました。

台湾の皆さんは優しく、距離感が程良かったという印象が強く、旅行中に嫌な思いをしたり、騙されたという気持ちになったり、困ったりすることもなく過ごせて、同じアジア人として親近感を勝手に感じていました。

台湾には良い印象を持っていたので、この本を見つけた時は少し驚いたと同時に、観光だけでは分からない台湾を見てみたいという気持ちが湧き、手に取りました。

この本とは台湾のベストセラー小説で、呉暁楽(ご・ぎょうらく/ウー・シャオラー)著、木内貴子訳の「子供はあなたの所有物じゃない」です。

 

ある家庭教師の見た情景――苛烈な家庭教育、歪んだ親子関係、過熱する学歴社会に翻弄される親と子。元家庭教師の著者が描く、教育の意味と本質を問いかける全九話の短編集。台湾で6.6万部のベストセラー。

 

著者は家庭教師として8年間で70人の子供を見てきたそうです。その体験から9つの短編をまとめた小説です。

台湾でドラマ化もされ、日本ではNetflixで観られるそうです。

 

翻訳した木内氏によれば、台湾は日本以上に学歴社会なのだそうです。

この本には、学歴社会を取り巻く教育への過熱ぶりが描かれています。

その過熱から教育虐待が生まれるのは、想像に難くありませんし、日本でも同じなのだろうと思い、異国で起きている出来事という風には思えませんでした。

どこの国でも、一部の保護者が持っている学歴に偏重した価値観を変えることは困難でしょう。

それでも子供たちに何かできないかと思い、著者は小説として発表したのかなと思いました。

 

観光だけでは分からない台湾を垣間見れたことで、より台湾への興味が増しました。

また台湾に行きたいな。