今日の一冊 「ちいさなちいさな王様」

王様シリーズ、第2弾。(第3弾は、ないかもしれないけど)

以前、「子供が王様」という本を紹介させていただきましたが、今回は本当?の王様です。

 

アクセル・ハッケ作、ミヒャエル・ゾーヴァ絵、那須田淳/木本栄共訳の「ちいさなちいさな王様」

この世の中のことは全て本当のことなのか?僕の人差し指サイズの小さな王様。王様の世界では大きく生まれて成長するにつれ小さくなり、しまいには見えなくなってしまうという。長きにわたって愛されてきた30万部突破のドイツのベストセラー小説。

 

ある日、”僕”のところにちいさな王様が現れます。

王様の世界では、大きく生まれてだんだん小さくなっていく。

”僕”の世界は逆で、小さく生まれて様々なことを教えてもらいながら年を重ねて大きくなる。

王様は、"僕"の世界で年を重ねるということは、

はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。・・・(中略)おまえたちの想像の世界はどんどん小さくなっていき、知識はますますふくれあがっていく。そうじゃないのかね?

と、年を重ねることは、想像力が縮小されていくことではないかと指摘します。

そんなやり取りが続き、、、。

ついに王様は、”僕”に王様のトラックに乗るように言うのですが、”僕”は大きすぎて乗れません。すると王様は、

それではな、おまえはそのソファに座ったまま目を閉じて、このトラックの助手席に乗りこむところを想像すればよろしい。そうすればどうなるかわかるさ

と言います。

”僕”は言われた通り目を閉じると・・・。

王様の隣で、一緒にトラックに乗っています。

これは想像なのか、現実なのか?!

最初から最後まで、"僕"と一緒に不思議な世界に迷い込んだ気分が味わえます。

 

毎回、王様の一言一言が、グサグサ心に突き刺さります。

今日は「想像の世界が小さくなる」という言葉に反応しました。

最近はそれほど忙しくなくて、時間に追われているわけではないのに、気持ちが常に何かに追われていて、ぼうっとしたり楽しいことを空想する時間がないことに、気づかされます。

通勤電車の中やバスを待っている間にぼんやりしていることも、最近は全くない気がします。

ただただ何もしない時間が、スキマに取れないなんてことはないはず。

結局は、そういう時間を取ろうと、意識するかしないかの問題なんだと思います。

その時々の自分に欠けている何かを、思いださせてくれる本です。

 

絵、とある通り、100ページ程度の児童書です。

2005年に知人に頂いて初めて読んでから、ずっと手元に置いてある大事な本で、モノを減らしても、これだけは死守していました。

時間をおいて読むと、別の気づきを与えてくれる本。また時間をあけて読みたいと思います。

 

まずは、ベランダにでも出てボケっとしようかな。